<キャリア概要>
国際関係学部を卒業後、大学院で戦後復興学を専修。
北部ウガンダで性暴力を受けた男性・男児の支援について学ぶ。
その後、JICAで東アフリカ地域支援、NGOでケニアの暴力的過激化予防事業に従事したのち、開発コンサルティング企業に入職。社会福祉士。
① 平和構築に興味を持ったきっかけは何ですか?
大学時代にアメリカの「平和教育」について調べたことです。生れ育った広島で受けた「平和教育」は原爆の悲惨さや戦争の怖さを実感させるものでした。
一方アメリカのそれは、異文化コミュニケーションの側面が強いと感じました。戦争を怖がるだけでなく、平和の実現のために自分は何をすべきか考えたことが、平和構築に関心をもったきっかけです。
② どのように平和構築に関わっていますか?
現在は女性の経済的なエンパワーメントを目的とした、カンボジアの女性省の能力強化案件に携わっています。戦時には、女性や子ども、障害を抱えた人、高齢者などがより脆弱な立場に置かれますが、これは彼らの平時の脆弱性が、戦時により顕在化するためです。平時の様々な差別の解消が平和構築の一つであると思います。
③ 平和構築の醍醐味は何ですか?
様々な段階やセクター、アクターが関与するところです。どのような活動でも、広く平和構築活動に含むことができるのではないでしょうか。
④ 平和構築の難しさは何ですか?
(勉強中ですが)様々な段階やアクターが関与するために、全体を俯瞰した戦略を立てる必要があるという点でしょうか。国や地域、コミュニティを再建するためには、長期的な復興計画が必要ですが、紛争当事者にはそれを可能とするような組織的・財務的な体力がないことが多いと思います。
⑤ 今の仕事をする上で、身につけておいて良かったと思うスキルや経験は何ですか?
ソーシャルワークの勉強をしたことです。今の職場では、ジェンダー、高齢化社会、障害と開発などがキーワードとなることが多いです。障害(いわゆる“開発課題”と言い換えられると思います)は社会と個人の関係のなかでつくりだされるものであり、その障壁を取り除くのは社会の責務であると捉える考え方は、これらの分野に関わるうえで知っておいてよかったと思います。
⑥ 実はこんな趣味ですというのはありますか?
服作りが趣味です。出張先のホテルの広い床の上で、ちまちまと型紙を作成しています。その土地の布で服を作るのが楽しいです。
⑦ 最後に、今後の夢・目的は何ですか?
実現する方法を模索中ですが、暴力の影響を受けた人の相談を受けたり、必要な支援を受けられるようサポートする“相談援助業務”に携わりたいです。
▼事後評価案件で訪れたインドにて。農家の女性たちと。
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