難民キャンプを紹介する本やレポートはたくさんありますが、
本書「ぼくはロヒンギャ難民。」は、
ロヒンギャ難民に関する基礎的なことから、
難民キャンプのとてもリアルな現状、ジェノサイド条約、
そして現状を改善するための提案まで含められ、
包括的なのに非常に理解しやすい内容です。
本書は本文と注釈の2段構成となっています。
専門用語や説明が必要な事柄については、
本文のすぐ下の注釈で詳しい説明が記載されており、
詳細をすぐに確認できます。
結びの章では、私たち現場に関わる人が忘れてはいけない
紛争影響地域において【人を人として見る】感覚の重要性にも触れられています。
これは、目の前で苦しんでいる人を自分の成果の“手段”と認識したり、
困っている人を助けている自分に“酔う”感覚への忠告でもあります。
平和構築・人道支援の現場で活動、調査、研究している人にとって、
多くの学びがある一冊です!
「ぼくはロヒンギャ難民。: 差別され、迫害され、故郷を追われた人びと」(合同出版)
小峯茂嗣 (著)
2023年1月14日
田島賢侍
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